日本からの予約について
青海チベット鉄道(青蔵鉄道)の切符は、日本からの手配が可能です。
開通当初、青海チベット鉄道(青蔵鉄道)の切符はプラチナチケットと呼ばれていました。
それほど入手が困難だったのですが、北京と上海以外からもラサへの運行が開始され、列車の本数が数倍になり、また開通直後のブームも一段落し、現在では閑散期なら前日でも入手できるケースが多くなりました。
2007年4月のダイヤ改正で、青蔵鉄道のスケジュールは以下のようになったようです。 |
北京西・ラサ |
T27次、21:30北京西発 3日目20:00ラサ着 |
T28次、08:30ラサ発 3日目07:34北京西着 |
上海・ラサ |
T164/5次、20:08上海発 3日目21:00ラサ着 |
T166/3次、10:00ラサ発 3日目10:58上海着 |
成都・ラサ(隔日) |
T22/3次、20:36成都発 3日目17:21ラサ着 |
T24/1次、10:45ラサ発 3日目08:25成都着 |
重慶・ラサ(隔日) |
T222/3次、19:42重慶発 3日目17:21ラサ着 |
T224/1次、10:45ラサ発 3日目09:17重慶着 |
広州・ラサ |
T264/5次、13:07広州発 3日目21:00ラサ着 |
T266/3次、10:00ラサ発 3日目18:10広州着 |
蘭州・ラサ |
K917次、17:15蘭州発 2日目21:50ラサ着 |
K918次、11:20ラサ発 15:27蘭州着 |
青蔵鉄道の切符は、現在旅行代理店には卸されていません。
しかし、各代理店は一般の列車切符手配のように人を使うなどして切符を確保し、チベット入域許可証とセットにして「ツアー」の形で販売しています。これは、一時期大人気だった青海チベット鉄道(青蔵鉄道)の切符を高額で取引することが禁止されているため、ツアーとして扱うしかないためです。これらの旅行会社の中には日本語で連絡が取れるものもあり、そこに依頼することによって、日本国内でチベット入域許可証と列車の切符を予約・手配することが可能です。しかしその値段は安くはありません。
例えば、日本語で手配・予約が可能な某社では、チベット入域許可証の申請料金を別にして、西寧からラサまでの軟臥(1等寝台)の価格がなんと44500円。座席車ですら3万円近くします。ちなみに私が今回購入した、成都-ラサの1等寝台の運賃は約15000円でした。
私もビザ無し入国ができる15日間で青海チベット鉄道(青蔵鉄道)旅行をしたいと考え、日本で列車の予約が可能なところをかなり熱心に調べましたが、結局ここが一番安上がりでした。
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成都青年旅宿舎
"Sim's Cozy Guesthouse"
ラサへの鉄道切符については、
http://www.gogosc.com/jply_train.asp
「手配 できる 列車 列車番号:T22/3、全工程3360km、所要時間45時間10分、3日目到着 停車駅と停車時間:成都(20:36)−広元(23:20)−宝鶏(08:02)−蘭州(13:48) −西寧(16:49)−ゴルムド(04:18)−ナチュ(14:24)−ラサ(17:21) 運行日:開通以来隔日運行で、現在のままで行くと3月は偶数、4月は奇数、5月からは奇数の日に運行となります。 料金 座席と料金の種類: 座席 331元 硬臥(ハードベッド)(上)671 元 硬臥(ハードベッド)(中) 692 元 硬臥(ハードベッド)(下)712 元 軟臥(ソフトベッド)(上) 1065 元 軟臥(ソフトベッド)(下) 1104 元 手配費用: 手配にはチケット代金以外に 450 元の費用が必要となり、以下のものを含んでおります。 1.入域許可書 2.ゲストハウスから列車駅までの送り 3.ラサの駅への迎え 4.ラサ到着日のゲストハウスドミトリーでの宿泊1泊 5.サービス料 今だけのお得サービス!当ゲストハウスでの30元分のお食事券 またお客様が電子メール、ファックス等にて当ゲストハウス到着前に事前に手配される場合は100元(約1600日本円)の手数料を頂きます。 」 |
閑散期であったこともあり、私はすんなりとラサまで軟臥のチケットを手に入れることができました。入域許可証、ラサ、成都での駅と宿の送迎、ラサのドミトリー1泊が全てセットで450元(日本で依頼すると550元)というのは、破格だと言って良いでしょう。また、チベット入域許可証だけを考えてもここが最安値だったと思います。西安在住の日本人留学生は、チベットの入域許可証だけを取るのに自力で役所まで出向き、それでも手数料800元がかかったそうでした。
チベット青蔵鉄道について
(2007.1 チベット青蔵鉄道旅行記 1)
青蔵鉄道がラサまで開通したのは2006年7月のことだ。
私はテレビでこのニュースを知るや否や、乗りたくてたまらなくなった。
それまでチベットの省都ラサに行くためには、チベット入域許可証と航空券と現地で手配し、成都から飛行機に乗るのが一般的な方法だった。もちろんゴルムドや西寧から陸路の交通手段もあるのだが、合法的に利用するためには入域許可証以外に旅行許可証も必要となり、合法的に陸路移動することはかえって割高だったのだ。もちろん法治より人治が優先する中国のこと、許可証を持たずにこのルートを取る旅行者もいた。
だが青蔵鉄道の開通により、外国人旅行者も高価な車をチャーターすることなく合法的に、陸路ラサへと向かうことができるようになったのだ。しかも西寧/ラサ間を僅か1泊2日で駆け抜ける。これはかなり画期的なことだった。
予想通り、北京西からラサ行きの列車の切符は「プラチナチケット」と化した。
もともと鉄道の予約システムが複雑な中国のこと、出発地以外での入手も難しいのだから、外国人が中国国外で予約手配し限られた日程の中で片道だけでもこの列車に乗ることは、事実上不可能だった。
中国以外のテレビ局もチベット青蔵鉄道を紹介した。
日本のNHKが「青海青海チベット鉄道(青蔵鉄道) -世界の屋根2000キロを行く-」、ディスカバリーチャンネルが "Man Made Marvels" というドキュメンタリー番組を放映した。私が見ることができたのはこの2本だけだが、きっと他にもあるだろう。もし見ることができれば、青蔵鉄道の概要をかなり効率良く知ることができる。
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しかし開業から半年が経ち、熱狂的なブームもかなり落ち着いてきた。
また、北京/上海に加え、西寧、蘭州、成都、重慶、広州と路線は増え、競争も一段落した。また日本からさほど高くなく予約手配をしてくれる場所も見つかった。春節の少し前である1月下旬ならチケットの入手が可能だろうと考え打診したところ、日本からの切符の手配は思いのほか容易だった。
また2007年1月からチベットの入域許可証が廃止になるという噂も、中国系の掲示板で多く語られていた。(実際には実現しなかったが)。また一部旅行ガイドに書かれている「15日以内のビザなし入国ではチベットに入ることができない」という「ルール」も廃止、あるいは形骸化していることも現地の情報として確認できた。
青蔵鉄道は、観光シーズンを除けば、今や誰でも簡単に乗ることができる。
そしてこの鉄道は、現代の最先端技術を用いて作られた記念碑的な鉄道だ。
今まで世界最高地点を走っていたペルー鉄道の記録を塗り替え、海抜5000メートルを超える地点を走る。またゴルムド/ラサ間約1100kmのうちおよそ9割が4000メートルを超える高地だ。永久凍土や自然保護地域に敷設されるため様々な技術が用いられており、車体にも航空機メーカーである航空機メーカーであるカナダボンバルディア社の技術協力のもと車体全体が与圧されている。
チベット青蔵鉄道に関しては、ここが詳しい。(中国語)
また、列車の運行時刻などについては、日本語ではここが便利だ。
今回の旅行記では、このチベット青蔵鉄道を中心に、日本国内からの予約の手順、経由地の観光・宿泊情報、車内の様子などを可能な限り詳細に報告していこうと思う。
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.チベット青蔵鉄道の予約と中国入国ルート
(2007.1 チベット青蔵鉄道旅行記 2)
チベット青蔵鉄道に乗る場合、もっとも大きなハードルは切符の入手だ。
もちろん中国現地に行けばやがては手に入る。
しかしビザなしの15日間でそれを行っていては、ラサに着いた頃にビザ切れになりかねない。ここはなんとか日本から予約手配を済ませておきたい。
更にはもう一つ「チベット入域許可証」の問題がある。
これはなくなるという噂が最近何度か飛び交ってはいるが、未だ廃止されていない。ラサやシガツェなどチベットの限られた場所への入域許可証でもあり、既にあまり意味はないのだが「これで稼いでいる人たちもいる」ということだろうか。
ちなみにラサのドミでの取得率はおおよそ半分程度だったし、入域許可証をチェックされたという人は全くいなかった。とは言え、これがないと外国人は列車の切符が買えないことになっている。
(これがそのいまいましい "入域許可証")
列車の切符が比較的入手しやすくなった今、中国のいくつかの代理店は青蔵鉄道と入域許可証の事前手配サービスを行っている。"青蔵鉄道 チケット 予約" で google 検索をかければいろいろヒットする。例えばここでは、鉄道チケットと入域許可証のセットが1600元だ。
この入域許可証の価格も不透明だ。
ラサの情報ノートには20元で取得できたという話もあったが、同室した日本人留学生はチベット自治区の連絡事務所に自分で出向いたのにもかかわらず800元かかったとのこと。申請地域や担当者によって手数料がまるで違う。
また、青蔵鉄道は団体チケットを旅行代理店に卸していない。
更に切符価格の高騰を避けるため、高額なコミッションでの切符の売買を禁止していて、駅には苦情申請や取り締まりのためのカウンターもある。
代理店としては切符を買うためには人を使って並ばせるしかなく、また、パーミッションなどとセットにしてツアー形式にし、切符単体の価格を不透明にしておかなければならない、という事情も発生する。前述の代理店では「春節には500元増し」とあったが、これは他の代理店、あるいはダフ屋などを使わざるを得ない実情があるのだ。
現時点で、日本からもっとも安く、また安心して手配を依頼できる代理店はここだろう。
ここは、観華青年旅舎 (Sim's Cosy GuestHouse)" という宿だが、旅行代理店も併設している。
詳細は後に紹介するとして、ここは日本人のマキさんとシンガポール人のシムさんがなぜか中国成都で経営しているゲストハウスで、何事にもかなりしっかりしている。サイトにあった列車の切符手配についてメールを送るとほ翌日には返事が返ってくるし、価格も安い。なによりも対応がしっかりしていて信頼できるのだ。
観華青年旅舎では、切符(軟臥)の手配、宿から駅への送迎、ラサのドミ1泊、チベット入域許可証全てを含み、合計550元で手配してくれた。
もっともこれは春節前の空いている時期だったからかもしれないし、軟臥(1等寝台)という比較的入手しやすいチケットだったせいもあるかもしれない。状況は常に変わっているはずだ。
ここでは「申込金」を日本国内の銀行口座に振り込む必要がある。
これは後日成都で精算することになるのだが、この申込金を振り込んでもチケットの確保は約束されない。万一申し込み金を振り込んで切符が取れなかった場合、どのような対応になるのかは分からない。観華青年旅舎のことだから、きちんと返金される、とは思うが。
ともあれ、日本からチベット青蔵鉄道の切符を予約するには、価格に置いても信頼性の面からも、成都の観華青年旅舎に依頼するのが、現状ではもっとも良い方法だと思われる。
成都までのチケットはノースウェスト航空・ワールドパークスのマイルを使うことにする。中国南方航空便がエコノミーで20000/ビジネスで30000マイルと、中国国内ならアジア線と同じマイル数とお得感が強い。ちなみにウルムチも南方航空のハブであり、同じマイル数で往復できる。
そして帰路だが、これはラサで比較的容易に買えると考えた。
しかし「どこに行くのでも」という訳にはいかないかもしれない。そこで最も入手の可能性が高そうな都市である西安を選んだ。これなら毎日走る北京西行きも停まるし、重慶行きなども停まる。切符入手の可能性は一番高そうだし、最悪鉄道切符の入手が不可能でもラサから毎日飛行機が飛んでいる。
私は、観華青年旅舎に列車の手配を依頼し、チケットが取れたことを確認した上で、成田/広州/成都・西安/広州/成田路線をビザの要らない15日間の日程で予約した。
準備は万端だ。